プロ野球の一つの華と言えばホームでのクロスプレー。
ギリギリのタイミングでランナーがホームに突っ込みボールも同時にキャッチャーへと返球されきわどいタイミングの時にはキャッチャーがブロックしながらタッチ。
そんな激しいプレーに「待った」が掛かったのが2016年の事。
プロ野球に「コリジョンルール」というホームでのクロスプレーに制限が設けられました。
このホームでのクロスプレーには捕手ランナー共に多くの怪我が付きまとい、今までもかなり制限を設けるべきと議論されてきました。
誰にもメリットがないと言う事で怪我防止の意味も含めてこのルールが導入されたことは想像に難しくありません。
今回はそのコリジョンルールについての詳細をご紹介します!
2016年にプロ野球に導入されたコリジョンルールとは?
元々ホームでクロスプレーとなる際にはキャッチャーが走者の進路を塞ぎつつ、ホームベースを隠しながら捕球してタッチを遅らせるまたはさせないプレイが当たり前にされていました。
日本では阪神タイガースの助っ人マット・マートン選手がクロスプレーの際に、ホームにタッチする目的ではなく、キャッチャーに体当たりするプレーを繰り返して度々問題視されていた事からこのルールの導入が検討され始めます。
その事から「マートン・ルール」と呼ばれる事もあるぐらいにこのルール適用の際に重視された選手でもあります。
この動画の様にキャッチャーにタックルだけを目的として突っ込んでる節があるので結構悪質とも言われていました。
このタックルによって怪我をしたキャッチャーも出てきて、さすがにもうだめだろうとアメリカに習って日本にも導入されたのが「コリジョンルール」です。
コリジョンとは「衝突」という意味を持っていて、コリジョン(衝突)ルールを導入するべきではないか?とマートン選手のタックルをきっかけに2015年の7月に行なわれた12球団監督会議で問題提起されました。
これを機に2015年秋に教育リーグの宮崎フェニックスリーグで試験的に導入され、2016年から正式に導入される事が決定。
規則は大体下記の通り。
1.得点しようとしている走者が、走路をブロックしていない捕手または野手に接触しようとして、または避けられたにもかかわらず最初から接触をもくろんで、走路を外れることを禁じる
2.ボールを保持していない捕手が、得点しようとしている走者の走路をブロックする行為を禁じる
引用:wikipedia
出典:毎日新聞
守備側はランナーの走路を空けて送球を待たなければいけないルールになっており、実際に2016年のプロ野球から施行されました。
記念すべき?第1号のコリジョンルール適用は2016年3月のヤクルト-広島のオープン戦で、ランナーがホームに突っ込んでアウトになるも捕手が走路を塞いでいたとしてセーフ判定に覆りました。
基本的にはこのルール採用後はタックルを試みようとする人が居なくなり、走者が有利になったと言われています。
コリジョンが適用になるケースもほとんどが捕手の進路妨害のケースで走者がセーフに覆るケースで、捕手側からは非常にやりにくくなったとされています。
最近ではホームへの送球をベースのかなり前で捕る捕手も多くなりました。
走者有利と言われるこのルール適用により、前よりも厳しいと思われる場面でもランナーが突っ込んでくるケースも増えたとされています。
勿論選手のクロスプレーでの怪我も激減したので、良い事なんですけどね!
あのホームでの激しいプレイが好きだという人も多かったので、残念だという声もありました。
アメリカでもコリジョンが?
コリジョンルールを先に始めたのはメジャーリーグで、メジャーでも1人の選手がホーム突入の際に激しいタックルをして捕手が大怪我をしたのがきっかけとなっています。
この動画でタックルを受けたポージー選手はこのプレイで骨折と足首の靭帯断裂という重傷を負いました。
このワンプレイがきっかけでメジャーでコリジョンルールが採用され向こうでは「ポージールール」とも呼ばれています。
ポージー選手が一流のメジャーリーガーだった事もこのルール推進に拍車をかけたんだと思います。
ポージー選手には非常に辛い事件でしたが、このプレイをきっかけにメジャーや日本でも衝突ルールが細かく制定されて怪我をする選手が減ったのは素晴らしい事ですよね。
高校野球でもコリジョンが採用されてる?
高校野球ではプロ野球やメジャーリーグどころかその昔から衝突ルールに似た内規ルールが決まっています。
詳細はこんな感じです。
3.タッグプレイのとき、捕手または野手が、明らかにボールを持たずに塁線上および塁上に位置して、走者の走路をふさいだ場合は、オブストラクションが厳格に適用される。
なお、捕手または野手が、たとえボールを保持していても、故意に足を塁線上または塁上に置いたり、または脚を横倒しにするなどして塁線上または塁上に置いたりして、走者の走路をふさぐ行為は、大変危険な行為であるから禁止する。同様の行為で送球を待つことも禁止する。このような行為が繰り返されたら、その選手は試合から除かれる場合もある。
出典:アマチュア野球内規
難しい言葉も結構並んでますが、簡単に言えばボールを持っていない守備側が走者を塞ぐんじゃねえよ!って意味ですね。
やはり体も出来上がっていない高校生ですから、プロの選手よりも球児の安全を考えたルールが先に出来上がっていたんですね。
ただこのルールもあったものの、プロが堂々と本塁でブロックをしていた為に、高校生でもブロックをしている姿が多かったので2016年あたりから厳格に禁止行為として審判が取るようになった気がします。
元々ルール上で本当はブロックもタックルも駄目なんですから当然なんですけどね…
まとめ
2016年から正式に採用された「コリジョンルール」。
ホームでの激しいプレイは無くなりましたが、これをきっかけにクロスプレイでの怪我をする選手が大幅に減るのは間違いないですし、選手寿命の平均値にも影響を与えそうですね!
捕手は昔から激しいポジションとされていて、怪我と最も近いポジションでもあったので選手を守るルールが出来たのは非常に素晴らしい事です。
ただ、このルール制定後は本当にランナーが前なら絶対突っ込まなかっただろ!?ってタイミングでも還ってきたりするので、しばらくはこの影響で少し戸惑いもありそうですね。